#author("2019-11-29T15:40:28+09:00","","")
#author("2019-12-30T17:13:00+09:00","","")
*ゲームロボット九 [#qdeedc59]
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|~ジャンル|ブレインゲーム|
|~ハード|[[本体内蔵電子ゲーム>おもちゃ・ホビー・アナログゲーム#body]]|
|~メーカー|タカトクトイス|
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#contents
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**概要 [#q9d164e3]
ゲームロボット九はタカトクトイスより発売された、光るボタンとシンセサイザーを内蔵したブレイン系電子ゲームである。なお、本製品の発売年について、1982年とする説が有力となっているが、これは誤りで、正しくは1980年のことであった。

電子ゲーム初期の時代に発売されたこのゲーム機は、1台で9種ものゲームで楽しめる点、またボタンの光の動きから様々なものを想像しつつプレイする要素が仕様として特筆された。

なお、本機発売からさかのぼること数か月前に、トミーエレクトロニクス(現タカラトミー)が、「ドクタースミス」という6ゲーム内蔵の電子ゲームを発売しており、ゲームの特徴やサウンド面でゲームロボットと類似した特徴を有するが、こちらは演奏ゲーム以外における音情報が乏しく、視力を用いずに遊ぶことが難しかった。
一方この「ゲームロボット九」はサウンドによる状況説明の機能が充実していたことにより、内臓ゲーム9種類のうち6種類を視力に頼らずに遊ぶことができたことから、当時の視覚障害児の間で人気を集めた。
一方この「ゲームロボット九」はサウンドによる状況説明の機能が充実していたことにより、内蔵ゲーム9種類のうち6種類を視力に頼らずに遊ぶことができたことから、当時の視覚障害児の間で人気を集めた。

「ゲームロボット九」は1984年5月のタカトクトイスの経営破たんにより販売が終了したが、後に点字ビンゴカードをリリースする「ハナヤマ」が権利を継承した。
同社により「ゲームロボット」の復刻版となる「ゲームロボット21」が2005年に発売され、その後2019年までに雑誌付録品の「ゲームロボット15」を含めた6機種が製造されている。

中でも、2013年発売の[[ゲームロボット50>ゲームロボット50#body]]では、原作である「ゲームロボット九」を所有した経験を持つ全盲のキーボード奏者がサウンド部分の開発を手掛けたことで、全体の7割のゲームを視力に頼らずに遊べるほどアクセシビリティ面で向上した。
更に、2019年に、通販向けに製造された「ゲームロボットAI」では、操作方法やゲームの遊び方などを音声で説明する要素が追加された。

ここでは、その原作である「ゲームロボット九」について説明する。

**本体形状と各部の使い方 [#c0226f09]
本体は大きな電卓のような形をしており奥側が盛り上がっている。
この部分はロボットの頭をイメージしており正面には目のようなイラストが施されている。この部分のてっぺんにスピーカーがある。

奥の盛り上がりよりも手前側が操作パネルとなる。

操作パネルには四角い大型のボタンが縦横3×3の計9個並び、これがプレイボタン(数字ボタン)でランプが点滅する仕組みとなる。

数字の配列は現在ハナヤマが採用している電話方式ではなく、9ボタンを中心に置き、他のボタンは左上の1ボタンを起点に8ボタンまで時計回りに1回転するよう並ぶ。

1ボタンから順に「ドレミファ」の音階が割り当てられており、9ボタンは高い「レ」となる。
ゲームによっては光と同時にこの音階が再生され、視覚に頼らず遊ぶことができる。

プレイボタン左下の7ボタンの手前にスライド式電源スイッチがあり、右にスライドすると音階とともにすべてのプレイボタンが順に点灯しゲームが起動する。

電源スイッチの右側から丸いくぼみのある小さなボタンが3つ並んでいるのは、左から「スタートボタン」「セレクトボタン」「ロボットボタン」である。

プレイボタン右列(3 4 5ボタン)の右わきに縦3列に並んでいる、くぼみのある小さなボタンは、ゲーム2「作曲をしよう」専用のボタンで、上から「連続再生ボタン」「1拍休みボタン」「8分音符ボタン」である。

電池蓋は頭をイメージした盛り上がりの裏側にある。
使用する電池は単1乾電池×2本、006P角型電池×1本である。

**操作の流れ [#n78ef16d]
+電源を入れる。
+セレクトボタンを長押しし、遊びたいゲーム番号のボタンのランプが音階とともに点灯したところで離す。
+スタートボタンでゲーム開始。

**内蔵ゲーム一覧 [#f7749338]
以下に内蔵されたゲームの一覧を記す。
なお、ゲーム8の「野球ゲーム」以外は、現在発売されているゲームロボットの中で採用され、ゲーム名が変更されたものはその名称を記す。
ただし、ゲームロボット九ではゲーム5「ノックアウトインベーダー」とゲーム7「ピコピコモグラをやっつけろ」ゲーム8「野球ゲーム」は視覚なしでは遊ぶことはできない。
+電子オルガンを弾こう(演奏にトライ)
+作曲しよう(作曲にトライ)
+光と音を追いかけろ(光と音を追え)
+三つの暗号を探せ(三つの宝探し)
+ノックアウトインベーダー(がんばれゴールキーパー)
+潜水艦を探せ(潜水艦を見つけろ)
+ピコピコもぐらをやっつけろ
+野球ゲーム
+電子ルーレット(レッツルーレット)

**視力を用いずに遊べるゲーム [#zee7439f]
***1 電子オルガンを弾こう [#u988c31d]
9個のプレイボタンをキーボードに見立てて、音楽演奏にチャレンジ。
採点などはなく自由に演奏を楽しめるので、ここでボタンと音階との関係を理解することもできる。

***2 作曲しよう [#t3da8443]
上記の応用として、作曲にトライする。
8分音符ボタン、1拍休みボタンなどを駆使して、自由に長さを調節する。
8分音符を入力したい場合は、プレイボタンの後に8分音符ボタンを押押す。

なお、記憶できる音は50音で、これを超えるとブービー音(失格の効果音)が鳴って入力を受け付けなくなる。

***3 光と音を追いかけろ [#l15049cc]
Hasbroが発売している「Simon」(サイモン)と同様のゲーム。
最初にロボットが光と共に鳴らしたのと同じボタンを押す。
正解すると次の問題では、前の問題に1ボタン追加した問題が出題されるので、正しい順番でボタンを押す。
ミスをするとそこでゲームオーバーとなる。
問題は32問で、8問正解ごとにレベルが上がり、16問正解するとライフが1つ増える。

***4 三つの暗号を探せ [#s5748033]
1から9のプレイボタンに隠された、3つの数字による暗号を見つけるゲーム。
同じ数字が2回含まれる場合もある。
なお、数字はあくまでも孤立した3つの数字であり、「ゲームロボット50」にある「暗号を解読せよ」のように、位を気にする必要はない。
任意のボタンを3つ押し、1つ正解なら音程と共に1ボタンが3回、2つ正解なら3・5ボタンが3回点滅する。
3つとも不正解の場合はブービー音が鳴る。
これらの音を頼りにターンを繰り返し、最終的に3つ全ての数字を探し当てることを目的とする。
正解すれば消費ターン数に関係なく最高ファンファーレが鳴り、ゲームオーバーである。

***6 潜水艦を探せ [#u7799f03]
1から9までのプレイボタンのどこかに隠れた潜水艦を見つけることを目的とする。
任意のプレイボタンを押した時、それと同じ列上にターゲットがある場合、レーダー音が3回鳴り、ない場合は押したボタンの音程が鳴るので、それを手掛かりに探していく。
見事探し当てることができたらゲームオーバーである。

ただし潜水艦1隻につき3回以内で見つけられないと、ブービー音が鳴ってゲームオーバーとなってしまう。

**弱視者に遊べる可能性のあるゲーム [#h2e7a927]
以下のゲームを遊べる可能性がある。
ただし、個々の見え方や視野などによって差が生じるため、絶対的な見解ではないことを承知の上でトライされたい。

***5 ノックアウトインベーダー [#kf819d4a]
1から9のプレイボタンを宇宙空間に見立て、インベーダーからの攻撃を下段の「7・6・5」のいずれかのプレイボタンで防御する。
ゲームをスタートすると、1から3ボタンでインベーダーが旋回を始める。
その動きが突然止まったと同時にミサイルが放たれる。
攻撃によっては対角線状に斜めに飛んでくるものもあるので、プレイヤーは直線上に防御できるよう下段のいずれかのボタンを押す。
25回の攻撃の内、何回防御できたかにより判定が決まる。


**「9 電子ルーレット」の遊び方 [#t0168e83]
本ゲームは付属のシートとチップを使い複数人で遊ぶ半電子ゲームになる。
なお、シートに書かれている内容を触覚で理解できる何らかの工夫をしておくことをお勧めしたい。
ゲーム前に親役と子役を決定する。

各プレイヤーにチップを均等に分ける。チップの総数は40枚であるため参加人数に注意したい。

子役のプレイヤーはシートの任意の数に自身のチップを置く。
何枚賭けてもよいが、チップの数が少ないので調整してかける。

親役は本体のスタートボタンを押す。
光がボタン上を回転し、止まった数字が合っていれば子役に配当が行き渡るが、外れると親役に奪われる。

配当は以下の通り。
-1から9の個々の枠に賭けた場合は8倍。
-偶数に賭ける場合は2倍。
-奇数に賭ける場合は2倍。
-大数に賭ける場合[5から8が当たればよい]は2倍。
-小数に賭ける場合[1から4が当たればよい]は2倍。

**入手方法 [#rcbb028b]
流通する台数が極めて少ないため入手は困難を要する。
なお、2013年にハナヤマから発売された「ゲームロボット50」で採用された数字ガイダンス音によって、本作に含まれていたほぼすべてのゲームを視力に頼らず遊べるようになっているので、そちらも参考にされたい。
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