かまいたちの夜 Smart Sound Novel


ジャンルスマートサウンドノベル
対応機種iOS
メーカースパイク・チュンソフト
ダウンロード版入手先App Store

  • アクセシビリティ情報簡易表記
  1. 振動演出へ対応
  2. VoiceOver?によるプレイとクリアが可能
  3. 任意の文字を入力するシーンにおいてiOS標準キーボードを利用可能


概要

1994年末にスーパーファミコンで発売され、選択分岐の結果による物語の変化要素を大々的に採用し、その後のテキストアドベンチャーのマイルストーンとなった作品「かまいたちの夜」。

本作は原作からのユーザーインターフェイスの変更、グラフィックとBGMの一新と言った調整を施しスマートデバイスへ移植されたタイトルである。

iOSに標準で搭載されるスクリーンリーダーであるVoiceOver?でゲーム内本編のプレイが可能であるため、以下その詳細について掲載する。


ストーリー

恋人とのスキー旅行。初めてのゲレンデで精根使い果たしつつ、充実した時間を過ごした主人公は、大雪の到来を思わせる厚い雪雲を気にしつつ、同行の恋人とともに宿泊予定のペンション『シュプール』へと戻りついた。

談話室でリラックスし過ごしつつ、食堂では絶品の夕食へ舌鼓を打つ主人公と他の宿泊客。

しかし夕食後、談話室へ戻った主人公は同じくこのペンションに宿泊していたOL3人組がただならない様相で、オーナーへ自分たちの部屋にいつの間にか落ちていたという不吉な文言の記された紙片を見せる現場へ遭遇するのだった。


VoiceOver?での基本操作

  1. 指2本を上へフリック = 画面内文章の全文読み
  2. 選択肢のある箇所でのダブルタップ = 選択肢の決定
  3. 指1本をダブルタップ後長押し、SEが出力後に上フリック = 次のページへ進む (動作しない場合は指3本での上フリックでページを下端までスクロール後、奔操作を行うことで次の場面へ進むことが可能)
  4. 指1本をダブルタップ後長押し、SE出力後に下フリック = 前のページへ戻る (このアクションが動作しない場合は指3本での下フリックでページを上端までスクロール後、奔操作を行うと突破可能

セーブとロード

本作にはオートセーブが実装されているため、プレイ状況が常に保存される。

アプリを再開すると、最近プレイしていた場合は直ぐに直前のプレイから再開される動作となる。

アプリの再開後、タイトル画面が表示された際は「つづきから」を選び最も上のセーブデータ(自動保存されているもの)を開くことで前回の続きを再開可能。


オーディオダッキングの利用

VoiceOver?の読み上げ時に他の音が自動で小さくなる動作を停止することで、より原作に近い演出でプレイ可能。

  1. 設定→一般→アクセシビリティ→VoiceOver?から「ローター」の設定を開き、「オーディオダッキング」を選択可能とする。
  2. ローター洗濯操作(指1本を画面に固定してもう1本の指で設定対象の項目を切り替える)から「オーディオダッキング」を選択し、指1本を上下フリックしOnとする。*1

この状態でアプリ側のBGM,SE設定を適切にすることで、特に場面切り替え後の効果音演出について、より安定した環境での演出体験が可能となる。


本作の分岐システム

何れかのエンディングへ到達後、その題名が表示された後画面下部へ「最初のページへ」のボタンが表示される。

このボタンをタップ後再度最初から読み進め、別のエンディングへ到達することで新しいエンドを見た判定が初めて行われる。


犯人告発時の名前入力

特定のシーンで犯人の名前を手動で入力する場面が生じる。

ここもiOS標準のキーボードが現れVoiceOver?により操作可能。

また、漢字ではなくひらがなでの人称が可能。*2


ゲーム中シーンにて唯一VoiceOver?で利用不能の部分

宝佐賀市編より派生する特殊分岐より、これまでと表示の異なる形式の文章を読む場面となる。

ここの文章をすべて読み終わった後は、一度VoiceOver?をOffにし、画面中央下側をタップ、これにより物語冒頭のゲレンデシーンに戻ることによって、状況の進捗が可能。


総評

PCエンジンでのCDロム媒体によるソフト提供によるゲーム内ボイス演出が徐々に円熟し、次世代機であるセガサターンとプレイステーションが発売されたこの年、スーパーファミコンのソフト供給媒体として用いられてきたロムカートリッジにあっては多量のボイス演出は不可能な折であり、則は本作のプレイには必ず画面の目視が必要であった。

そのタイトルが、内容をほぼ同一にiOSへ移植され、その結果としてユーザー補助技術の動作によって一切視力を用いず、地の文を含めたすべての文章内容を閲覧可能となった事実は特筆される。

以上から、本作は視力を用いずプレイ可能なテキストタイプのアドベンチャーゲームであると同時に、同系統のゲーム性を持つタイトルの中でも勃興期に発売された始祖に近い作品であることからシンプルなシステムを持ち、テキストアドベンチャーゲームの入門としてもプレイ可能なタイトルといえる。


関連・参考リンク


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*1 これにより音が自動で小さくなる動作が停止される。
*2 これは原作での動作に準拠した挙動となる

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Last-modified: 2016-12-30 (金) 16:27:00 (2900d)