紫影のソナーニル Refrain -What a beautiful memories- †
アクセシビリティ情報簡易表記
概要 †『紫影のソナーニル Refrain -What a beautiful memories-』とは、表示される文章を読み、物語を先へと読み進める形式のテキストアドベンチャーゲームである。 作中、演出としてふんだんなボイスが実装されており、システムサウンドの充実から操作に対するフィードバックが豊富であることと合わせ、結果視力を用いずプレイ可能となったタイトルである。 本項ではその詳細について記す。 1907年、突如5年前に生じた厄災で廃墟となったニューヨークへ、思い人アラン・エイクリーの奇跡を辿るべく訪れた主人公、エリシア・ウェントワースの旅路が描かれる。 ストーリー †20世紀初頭、西暦1907年。 私たちの知るものとは異なる時代、私たちの知るものとは異なる歴史を歩んだそこには、無数の蒸気機関が充ちていた。 異常発達した蒸気文明が生み出す排煙は見る間に天を埋め尽くし、人々から青空を奪い去った。 中でも、最も空が暗いとされる場所があった。 永劫に続く灰色雲と雨に覆われた廃墟、旧・重機関都市ニューヨーク。 5年前に発生した《大消失》と呼ばれる原因不明の災害によって全土が廃墟と化したかつての摩天楼、合衆国政府によって完全封鎖され、現在では人影のひとつもないその都市へと、ひとりの女・エリシアが足を踏み入れる。 ひとつの目的を持って。 災害の中心地とされる旧マンハッタンへと向かって、女は静かに歩み始める。 一方で── 旧・重機関都市ニューヨークの“地下”とされる場所があった。 地上の誰ひとりとして、その存在を知る者はいない。 薄暗い紫の灯りに照らされる広大な地下空間。 そこには、5年前に消失した摩天楼の街並みが存在していた。 ただし、大いなる歪みを伴って。 異形へと歪み、黒色と紫影に染められた、出口のないその地下世界《アンダーグラウンド・ニューヨーク》には、消え去ったはずの人々が確かに存在していた。 7体の《御使い》と呼ばれる怪物の足音に怯えながら。 7体の《御使い》と呼ばれる怪物がもたらす恐怖と苦痛と死に耐えながら。 人々は、歪みの地下都市の中で、何かを待ち続けるかのように留まり続けていた。 そこへ、ひとりの少女・リリィが足を踏み入れる。 記憶の一切を持たずに。 リリィにとって、わかっていることはひとつだけ。 理由はわからない。何があるのか、誰がいるのか。なぜ、そう自分が思うのかも。 それでも、たったひとつだけ。 「マンハッタン。紫色の空の果て」 「あそこに。あたしは、いいえ、あたしだけは、行かないといけない」 ──少女は目指す。遙か彼方の紫影の塔を。 ──想い遺した人々の儚い影に、触れ続けながら。 涙を、我知らず流しながら。 ※紫影のソナーニル公式サイト内 ストーリーページより 豊富なボイス演出 †本作で特筆されるのは、地の文やモノローグを含め豊富に実装されたボイス演出である。 物語は地上を歩くエリシア・ウェントワース、地下を旅するリリィ・ザ・ストレンジャーと、2人の主人公の視点が交互に描かれるのであるが、地上パートは台詞に加え、モノローグ、地の文が全てボイスで読み上げられる、類例の希少な仕様が実装されている。 この地上パートは形容でなく全ての文章を視力を用いずに読解可能。 一方、地下パートでは6割ほどのモノローグと地の文へボイスが実装されており、その音声のみを頼りにプレイした場合、ステレオかつ豊富に演出された効果音と合わせて内容の理解に不自由ない量の情報が把握可能である。 以上から、双方合わせ本作アドベンチャーゲームパートでは視力を用いずプレイした際不便のない演出が実現されているといえる。 視覚補助情報 †本作は、以下の情報を用いることで、エンディング、追加シナリオを含め、視力を用いず最後までのプレイが可能。*3 以下、PSP版を基本にUIの構造を記す。(Xbox 360版は適宜追記) 初回起動 †システムデータの作成を問われるので、そのまま丸を2回押すことでデータ作成となる。 *4 オープニングムービーからタイトル画面へ †ソフト起動後、オープニングムービーの再生後、マイナーコードのジャジーなBGMが流れる場面となったらそこがタイトル画面となる。 このオープニングムービーはスタートボタン、もしくは罰ボタン(Xbox 360版ではBボタン)でスキップ可能。 タイトル画面からタイトルメニューへ †タイトル画面で丸ボタンを押すことで、ページをめくるSEと共にシステムデータのロードが発生する。
タイトルメニューは、縦3行、横2列の構造で、1行1列目が初期カーソル位置となる。上下左右循環あり。 内容は以下の通り。 一例に「つづきから」よりロード画面を表示する場合、右 丸 と操作する。 PSP版インストール方法 †タイトル画面からのインストール操作はPSP版のみの仕様となる。*5 特にプレイするバージョンがUMD版である場合、スムーズな演出と快適な動作が実現されるためメモリースティックへ空き容量がある場合は実施を推奨。 以下、PSP版インストールの実施手順を記す。
ゲームプレイ中の操作 †
ゲーム中メニュー画面の構造 †ゲーム中四角ボタンでアクセス可能。*9 本メニューは項目が左右に並ぶ構造であり、カーソル移動音あり、カーソル循環有りの仕様である。。 内容は下表の通り。
「前の選択肢へ」の下には「次の選択肢へ」があり、クイックセーブの下には「タイトル画面へ戻る」がある。 「前の選択肢へ」は、即ち 四角 左を3回 丸 丸 の操作で実行でき、後述するワシントンポストの検閲箇所探しのリプレイ等に活用可能。 コンフィグ画面の詳細 †コンフィグは上下で移動、左右でパラメータの調整、L/Rボタンでページ切り替え。カーソルは上下循環あり、左右で突き当たる仕様。 Lボタン/Rボタンで切り替えられるページ内容はそれぞれ以下の通り コンフィグ画面1ページ目 †上下循環あり 左右で突き当たる動作、項目は以下の通り
コンフィグ画面2ページ目 †コンフィグ画面1ページ目よりRボタンでアクセス、項目は以下の通り
オートプレイ有効化の設定 †コンフィグ画面内容の変更処理詳細解説に先立ち、ゲーム中スタートボタンで実行可能なオートプレイを有効化する方法について記す。 コンフィグ画面を開いた直後の状態から
ここで丸ボタンを押す場面はチェックボックスになっており、上記はデフォルト状態でオートモード自動停止がOnとなっているものをOffとする動作である。 この変更で、スタートボタンでのオートプレイが可能となる。 引き続きこの変更を保存するため、 罰 しばらくして 丸。 と入力する。 本操作で環境設定が保存される。*10 進行状況のセーブ方法 †ゲーム中に
ワシントンポストの検閲箇所特定パートについて †章の区切りに、ある記者がニューヨークで起こった厄災を現地で取材した様子を記した新聞記事を読む場面が登場する。 このシーンでは、その記事の中から事実を隠匿し記された箇所を探す。 実際の流れは以下の通り。
上記の手順を2~3回繰り返し、全て正解することを目的とする。 攻略例 ゲーム中1度目の検閲箇所特定パート †下記手順で全て正解の状態で物語を進行可能。
エンディング到達後のシステムセーブについて †グッドエンド、バッドエンドを問わず、物語が終局へ至ることでその到達をシステムデータへ保存するダイアログが表示される。
本編クリア後にプレイ可能となるEXシナリオについて †本編クリア後、タイトル画面で 右 下 下 丸 で「EXシナリオ」がプレイ可能となる。 項目は縦に並んでおり、内容は以下の通り
ウイツィロポクトリの紅涙 †ここはEXシナリオの序盤であり、縦2行、横2列の表となっており、左上端より順に読み進める。章題はそれぞれ以下の通り。
なお、上記第4章へ登場するデバイス『気晶式画像表示版(エア・モニター) (現代でのタッチスクリーンに相当)』に表示される内容のみ画面の目視で確認を要するのであるが、開発元ライアーソフトよりWebノベルとして公開されている同内容を読むことでその表示内容の把握が可能である。 また、本Webノベルでは上記EXシナリオと内容の重なる部分があり、結果スクリーンリーダーとWebブラウザで本EXシナリオの地の文、特に音声のない部分が視力を用いずに一切把握可能であることを補記する。*14 「おまけ」について †タイトル画面の「おまけ」の内容について記す。 項目は縦2行横2列、内容は以下の通り。
総評 †重ねて本作の仕様は貴重であるため、視覚障害を問題とせずプレイ可能なアドベンチャーゲームの実例として、場合でモデルケースとさえなり得る要素が含まれる作品である。 上述の通りワシントンポストに施された検閲を曝く場面にあっては、視力を用いず突破が可能である一方、そこは唯一、本作のゲーム本編で音声で読み上げられない部分である。 しかしその要素を考慮しなお、本作に含まれた視力の代用となる要素が、演出としてプレイ体験を充実したものへと至らしめるよう機能する点が特筆される。 一例に、モノローグ、地の文それぞれの音声が独立し演出されており、台詞では環状の激している場面にあってもモノローグは淡々と読み上げられることで醸成される緊張感と空気感は、本作ならではの魅力を現出し、プレイ体験をより鮮烈な物とする効果を生じている。 こうして視覚障害の解決となる仕様が複数実装された本作は、プレイが可能となる状況を演出の洗練で広げ、その広がった幅の中に視覚障害が包含された点がとりわけ特筆されるのである。 関連リンク †コメントフォーム †コメントはありません。 Comments/紫影のソナーニル Refrain -What a beautiful memories-? 投票フォーム †*1 実績をコンプリートした場合のゲーマースコア(MSアカウント全体で取得されるポイント)は1000となる *2 Xbox 360側で、Windows10版Xboxアプリと同じMicroSoft?アカウントでのログインが必要 *3 Xbox 360版では視力を用いず全ての実績が解除可能なタイトルでもある。 *4 システムデータの作成は初回起動時のみで、その後は自動でオープニングムービーへ遷移する。 *5 Xbox 360版についてはホーム画面よりソフトウェアを本体HDDへインストールしてのプレイが可能 *6 PSP標準システムソフトウェアに実装された効果音による通知あり *7 PS Vita、ならびにVitaTVの場合、インストールを行うことでディスクイメージとキャッシュファイル双方からデータを読み取る動作となり、結果ストレージへのアクセス回数が増えることでの遅延が生じ、フラグメンテーションの影響を受けるため、インストールを行わないプレイを推奨。 *8 特に本作のバックログは表示中に背景音含む効果音が消えるため、台詞の聞き直しに便利なUIが構築されているといえる *9 システムサウンドで通知が行われないため注意されたい *10 Xbox 360版ではこの途中にシステムセーブダイアログが表示される(音情報で把握可能)ので「上 A」を追加入力 *11 この操作は上書きセーブにおいてであり、初回セーブでは上書き確認は行われずすぐにセーブされる。挙動の違いに注意されたい。 *12 グッドエンド到達後システムデータをセーブすることで、タイトルメニューより追加シナリオのプレイが可能となる *13 効果音でダイアログの出現を把握可能 *14 詳細は本作PC版公式サイトにある「sona_webnovelban」と書かれたリンクの先を参照されたい(物語のネタバレを多く含むため、本作クリア後の閲覧を推奨) *15 ここでは劇中に登場した新聞や絵本を再読可能 |